旦那様とデート

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 俺の片想いならば、美咲が幸せになればいいと思っていたけれど、美咲が俺の事好きならこのまま突っ走っても構わないだろう。結婚しているし、問題は無いはずだ。  取り敢えず高校時代に用意された結婚指輪は親に買ってもらったものなので、自分のお金でプレゼントする為にセカンドマリッジリングと称して買いに行った。大学に入っても成長期は続いたので、高校時代の指輪が入るか分からなかったし。  美咲には結婚指輪は普段から身に付けて欲しいし、俺も付けたい。美咲は箱入り娘なので、悪い男に食われないように男避けに是非つけていて貰いたい。騙されやすそうだし、心配なところではある。  そうだ。眞木にも《伊ヶ崎》の創立記念パーティーに美咲と出席する事を言わなければいけない。眞木もパーティーの主催者側の手伝い要員でもあるのだから。 「眞木。《伊ヶ崎》の創立記念パーティーでは女性と出席するから」 「それは……、ご婚約者様ですか?」 「婚約者……まあ、そんな関係かな」  本当は夫婦だけど、と内心言う。眞木は少し顔を引き攣らせた。というか、眞木からゴミを見るような目で見られている。何故だろうか。
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