旦那様と、波乱?

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旦那様と、波乱?

 ―――――――――――――――  ―――――――――― 「は?身体目当て?」  会うなり私が切り出すと、涼は怪訝そうな声を出した。私はそうそうと頷く。  帰宅ラッシュ時の丸の内。周りはサラリーマンやOLに囲まれて、涼の大学生らしいラフな私服は少し浮いていた。涼の病院実習が長引いたとかで、先にカフェで待ってもらうのではなく、道中で合流する事になった。 「この前悠真と出掛けたのを見られてたみたいなの。そしたら、身体目当ての男もいるから気を付けろって」 「は?誰に言われたんだ?それ」 「秘書課の人。初めて話したの」  涼は険しい顔のまま、しばし黙り込む。そして確認するように聞いてきた。 「一応聞くが、女か?」 「うん。女の人だよ」 「……それ、牽制じゃねえ?」 「牽制?」  私は首を傾げた。牽制……、牽制ってあの、相手の注意を惹き付けるアレ?
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