旦那様と、波乱?

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「……悠真に正直に話してみるわ」 「それが一番だな。でも、怖いなら話さなくてもいいんじゃね?隠し通せるだけの狡さを持てれば」 「さすがにそれは持ってないかも……」  苦笑いをした。あんまり自分を偽るのは得意ではない。だから、私は正直に言うことにする。  そのまま目的のカフェまで歩いていると、何かを見つけたらしい涼が「あっ」と声を上げた。 「あれ……莉佳子じゃね?!」  眉を寄せる涼が視線を向けた先を見る。仕事終わりなのかシンプルな服装の、出るとこは出て、引っ込むところは引っ込んでいるスタイルの良い女性が、黒い高級車の傍に立っていた。中の人と話しているのか、少し屈んでいる。  確かに後ろ姿は莉佳子に似ている。  正面から見ていないので、本人か断定は難しいけど。感心したように涼を見た。  ……というか、涼よく分かったなあ。  その時、後部座席の窓から人が少しだけ顔を覗かせた。ワックスで整えられたダークブラウンの髪に、高い鼻筋。チラリと見えた横顔だけで分かる。 「え……、悠真だ……」  思わず立ち止まった私達の目線の向こうで、何やら話は纏まったのか、莉佳子はあっさり後部座席のドアを開けて車に乗り込んだ。  タイミング良く信号が変わり、そのまま高級車は走り去って行く。 「おい……!あれ、浮気じゃね?!」 「えっ?!浮気……?!」  勢い込む涼に私はギョッとした。思わず隣を向く。  いや、でもだって、悠真の車には運転手もいるはずだから、完全な密室じゃないはず。……だよね?相手も莉佳子だし。 「誰の車だあれ?!」  ………………ん?どういう事?
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