旦那様と、波乱?

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 丸の内の中で時々行くカフェに到着し、二人して席につく。ウェイターに俺はいつもの珈琲を注文し、メニューをサラッと見ていた莉佳子も同じものを頼んでいた。 「それで?やっと付き合ったのね?」 「まあ、そうだけど……。やっと?」  莉佳子の言葉に引っ掛かりを感じて聞き返す。彼女はクスリと蠱惑的に赤リップを塗った唇をつり上げた。相変わらず涼と同じで色っぽい雰囲気を持っている。涼は退廃的な色気だが、莉佳子は女豹のような違いはあるが。 「そう。やっと、よ。私達がお節介焼かないと全然進展がないんだもの」 「どういう事?」  綺麗に短くカットされた爪を弄りながら、莉佳子はクスクスと小さく笑う。白衣の天使と称される看護師よりも、堕天使と言った方が似合っているように思えた。 「だって、二人共高校生の頃からずっとお互いを意識してたもの。くっ付くのが遅すぎたくらいよ」  いや、それは政略結婚したからじゃないだろうか……、なんて思ったけど「そうなんだ」と気付かないフリをしておく。政略結婚相手はどうしても気になってしまう。たぶん美咲はそのせいで意識してるように見られたのだろう。
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