旦那様と離婚の条件

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 色白なので中性的な雰囲気すらあるけれど、決して病弱そうでも華奢でもない。程よく筋肉が付いている事を私は知っている。  彼は作ろうと思えば、彼女の一人くらい容易く作ってしまうんだと思う。だって、こんなかっこいい人、女の子が放っておく訳が無いし。  ほぼ伊ヶ崎家の思惑によって決まった結婚相手の私に対しての遠慮なのかは知らないけど、そういう浮ついた話は聞いたことがない。  ――というか、どうやら仕事終わった後すぐに家に帰ってくる。私と同じで。  仕事が忙しそうなのもあるけれど、総務部秘書課の女の子達はあからさまに悠真の事、狙ってるって麗奈から聞くし……。  やっぱり避けてるのかしら? 「……でも、美咲はその気になれば作れるでしょ?彼氏の一人や二人くらい」  そう言うなり、彼の骨ばった手がすぐ近くから伸びてくる。テーブルマナーとか、そんなの無視して私の長い髪の毛に触れた。 「美咲のサラサラの髪も、薄茶色の大きくてぱっちりとした瞳も、小さな顔もすごく可愛いと思うけどね」
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