旦那様とやり直し

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 彼の手のひらから伝わる温もりは、熱いくらいだった。その手に自分のを重ねて、ギュッと握る。 「私も……、悠真に幸せになってもらいたかった」  お互いに政略結婚を解消すれば良いと思っていた。そうすれば幸せになれると。強制された未来から解放されると。  そこに自由はあっても、好きな相手はいなかった。未来を共にしたいと思うパートナーはいなかった。  私の希望に嬉しそうに微笑んだ悠真は、フローリングに跪いた。そして私の方に向かって手のひらを差し出す。 「美咲……、いや、円城美咲さん。改めて、俺と結婚してくれますか?」  自分で言っておいて少しだけ気恥ずかしかったのか、やや頬を赤くしながら悠真は「プロポーズすらまともに出来ていなかったからね」とはにかんだ。  答えはもう既に決まっている。 「……はい。よろしくお願いします」  私は自然と頬が緩むのを自覚しながら、彼の大きな手をとった。 「ありがとう。嬉しいよ。まだ指輪は完成していないけど、届いたら付けてね」  私の手を握り込みながら、彼は立ち上がった。私も優しく引っ張られて自然と立ち上がる形になる。彼のダークブラウンの瞳が優しく私を見下ろしていた。 「うん。出来上がりが楽しみ」
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