旦那様とやり直し

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 眞木さんは顔を上げて、視線を居心地悪そうに彷徨わせる。いつもハキハキしている口調がやや弱まって、言いづらそうに「そうです……」と答えた。 「いいんです。見ず知らずの私の事を考えて、わざわざ言いに来てくれるのって、到底出来る事ではありませんから」 「その……、見て見ぬふりがどうしても出来なくて……」  眞木さんは見捨てる事だって出来た。私が不幸になるんじゃないかって、そう思ったからせめて忠告しに来てくれたのだろう。  私達の関係性を知らなければ、確かにそう思ってしまうかもしれない。 「ありがとうございます。眞木さん。私はその気持ちだけで、とっても嬉しいです」 「……本当に、貴女はお人好しですね」  眞木さんは、照れ隠しのように言った。  眞木さんだけじゃない。あれから、悠真が涼と莉佳子に問い詰めた所、『私と悠真をくっ付けよう』という計画を立てていたらしい。誘惑に対するアドバイスもその計画のうちだったそう。  あんまりにも進展のない私達に焦れた周囲がお節介を焼いた形になったけど……、涼のアドバイスのお陰で悠真と進展したから本当に感謝している。  ちなみに涼と莉佳子はいつの間にか交際していたらしい。全然知らなかった……。
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