離婚を考えるまでの――

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 だから、私はこれからも悠真の頼りになりながら、悠真を最大限支えていこうと思っている。悠真は社長になる為に努力してきた。これからも引き続き社長への道を築いていく。  そして、社長になってからも彼の努力は終わらないのだろう。  私は彼の隣で、彼を公私共に支えられる強い女性になっていきたいのだ。  悠真の母親のようにとは言わない。  眞木さんのようなバリバリのキャリアウーマンのようにとは言わない。  莉佳子のように仕事に対しての立派な動機がある訳でもない。  でも私は、私なりに一年後、五年後、十年後の自分のなりたい姿を思い浮かべながら、キャリアアップしていきたい。私自身が誰かになんてなれない。私なりの強い女性を目指していく。  それが、私の選択だ。  私の答えにフッと由弦は微笑んだ。どうやら私の言葉は、由弦にとって満足のいくものだったらしい。 「そうか……。つまり、結婚する予定があるということだな?」  …………あ。
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