離婚を考えるまでの――

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 先程話した事を思い出す。自然とスルスルと出てきた。いつの間にか、私の中で悠真の存在は離れ難いものとなっていた。いや、離れる事すら想像してなかったと言うべきか。  大学生の時は離れてても大丈夫だったのに。 「あー、その……」  私はなんと言うべきか視線を彷徨わせる。だけど、悠真がバトンタッチしてくれた。 「実はね、俺達五年前から入籍だけはしてるんだよね」  一瞬、その場に恐ろしいまでの沈黙が降ってきた。  帆乃香は口元に手を当てて目を見開いている。涼は言葉の意味を瞬時に理解出来なかったらしく、眉間に皺を寄せて必死に噛み砕こうとしている。由弦は真顔で固まっていた。莉佳子は手に持っていたフォークを落とす。カランとお皿にフォークが当たった音で、ようやくその場の動きが戻ってきた。 「え、そうなんだぁ?!」 「ちょっと……、え?俺達のお節介ってもしかして要らなかった感じ?!」 「……訳が分からん。五年前は高校生だろう?」 「え、ちょ、はぁ?!どういう事よ?!そんな素振りなかったじゃない?!」  帆乃香が歓声を上げ、涼は泡を食ったように頭を抱え、由弦は冷静に状況把握をしようとし、莉佳子は私達に詰め寄った。  私と悠真はお互いに顔を見合わせて苦笑する。
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