旦那様と高校時代の友人

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 お昼の休憩時間に麗奈と二人で社員食堂で食べていると、急に辺りの雰囲気が変わった。  まだ早いお昼の時間だったので、あまり人はいない。空いてはいるがややザワついていた周囲が、一瞬静かになる。  不思議に思って麗奈と二人して元凶の方へと視線を巡らせると、我が社の専務である伊ヶ崎悠真が三人の同世代の男達と共に社員食堂のお盆を手に取っていた。  ……専務室が与えられているはずなのに、今日はそちらでは食べないのね。  まだ東京本社に配属されて一ヶ月。社長の息子であり、アメリカの有名大学出身の専務。しかもイケメンが話題にならないはずがなく、完全に珍獣扱いされていた。  今日もダークブラウンの髪をワックスで整え、ダークネイビーの高そうなスーツを着こなしている。お盆を持ち上げた際に見えた、中に身に付けているワイシャツの袖に光るものが見えて、私は食べる口が一瞬止まった。  あ……、宣言通りに付けてくれてる。私があげたカフスリンクス。  そういう私も早速もらった財布に変えて、朝から気分を上げていた。こういった変化に敏い麗奈に気付かれて、財布可愛いと褒められたのも一因。
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