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私だって、出会いを求めている。
なんだかんだで、私もそろそろ二十三歳。体力のある二十代のうちに子供が欲しいなあという漠然とした人生計画はあるので、それを実現する為に動いていてもいい頃。
猫を連想させるような大人びた雰囲気を持つ麗奈は、私の答えにちょっと気まずそうな顔をした。
「それがね……今日なんだ。本当にいきなりなんだけど、大丈夫?」
「きょ、今日……?!」
高揚していた気持ちが一気に沈む。一度合コンとやらには行ってみたかった。
……けど、今日はどうしても外せない用事がある。
「ごめん!麗奈、今日は無理……。友達とご飯に行く約束をしてるの。また誘って!」
「ううん!こっちこそいきなりでごめんね……!勿論、次は誘う!」
麗奈は制服の襟元のボタンを外しながら、申し訳なさそうに謝った。そして、その後に「それにしても」と続ける。
「美咲が合コンに興味あったなんて思わなかった。営業部の人とか、他社の営業マンからアプローチ掛けられてたのに全然靡かないから、恋愛に興味ないんじゃないのかって。彼氏とかの話も聞かないし」
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