旦那様と高校時代の友人

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 チラリと麗奈に目配せする。でも麗奈は話に入ってくる事なく、やや怪訝そうな表情で私達二人を見比べていた。 「そっか。確かに値段はお手ごろだったね。味も美味しい」  流れるように進む会話に内心不自然でないかとビクビクしながら、それでも社員食堂という普段と違う場所で、好きな人と同じ社員という立場で話せているこのスリリングな状態に高揚する。 「専務って三ツ星レストランしか利用しないと思ってました。それか、女の子手作りのお弁当」 「お前は一体俺の事をなんだと思ってるの……。異性の手作り弁当なんて、母親以外で食べたことないよ」  悠真に付いてきた営業部に居そうな男性が会話に入ってくる。悠真は黒さの滲む笑みをその人に向けたけど、仲が良いらしくおかしそうに肩を竦められただけ。一応部下なんだろうけど、社員歴も歳も私達より上そうだ。  営業っぽい人が作った砕けた雰囲気に、麗奈も続いて入ってくる。というか、思わず声が出たといった感じだ。 「意外……」 「意外ですよね」  悠真の代わりにこの場の空気を作った人が麗奈の言葉に応える。
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