旦那様と高校時代の友人

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「でも、女の子の手作り弁当ってあんまりもらえる機会ないんですけどね」 「お弁当作る機会がまずないですよ。彼氏いないと」 「あー、なるほど。もらえないのは彼女居ないからでした」  私と悠真を挟んで行われるやり取りに、目を丸くする。……なんか、いい感じっぽい?  思わず隣の悠真を見上げると、彼も少し驚いていたようだった。けれど、二人の邪魔をしないようにと軽くアイコンタクトを取ってくる。  素直に頷いて、そのまま楽しく聞き役に徹していたけれど――、その昼休みは麗奈と悠真に付いてきた人の二人が盛り上がって終わった。  私と悠真なんて、その様子を見守ってるだけだったんだけど……。  いつの間にか、ちゃっかりと麗奈は連絡先も交換していたらしい。終業時間になり、ロッカーで着替えていた麗奈はご機嫌で、ご飯に行く約束を取り付けたと言うものだから、開いた口が塞がらなかった。  い、いや、待って……展開早すぎない?  これが大人の恋愛ってやつ?ジェット機並みの速さじゃない?  あんまりにも徒歩どころか、亀並みのような歩みの遅い私の恋愛に膝から崩れ落ちそうになる。  これであと三ヶ月で悠真を落とせるの私……?
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