旦那様と高校時代の友人

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 京極(きょうごく)由弦(ゆづる)は代々政治家の家の息子。そして、その妻で私の小学校からの友人である京極(きょうごく)帆乃香(ほのか)、旧姓、榛名(はるな)帆乃香(ほのか)は現在妊娠中だったりする。同級生で仲良し組の中でも第一子という事もあって、みんな今から産まれるのを楽しみにしていた。 「莉佳子(りかこ)は看護師になってうちの病院で頑張ってくれているし、仕事が楽しいなんて言ってたなあ」  天沢(あまさわ)莉佳子(りかこ)。こちらも帆乃香と同じで小学校の頃からの友人だった。  伊ヶ崎悠真、成瀬涼、京極由弦、榛名帆乃香、天沢莉佳子。この五人が私の高校時代を彩っていたと言っても過言ではない程、いつも一緒にいた。  でも離婚した時気まずくなるかもしれないからと、悠真との結婚の事は他の人には話していない。いつもちょっとした後ろめたさを感じている。 「それでさあ、俺らももう今年二十三じゃん?」 「うん。そうだね」  大人としてそろそろちょうどいい頃合い。伊ヶ崎に同期入社した人達もちらほら恋人を作っている。 「俺もさあ、そろそろ結婚したいんだよね」  昔から変わらないかったるそうな口調で、軽々しく言った。 「へえ、そんな事考えてたんだ」 「あれ?意外だった?」 「うん。意外だった。涼はまだ学生だし」
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