旦那様と離婚の条件

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 首を捻りながら、麗奈は手早く私服に着替える。今夜の合コンに向けて、いつもより綺麗めの服装をしていた。  彼女は不思議そうな表情をしつつ、化粧直しを始める。私も結んでいた髪を解いて、カタがついていないか鏡で確かめる。 「えっ?!いつアプローチ掛けられてたの?!」 「あれ?気付いていなかったの?」  同僚の麗奈がアプローチ掛けられてた場面には何度も遭遇してたんだけど……、私の事は全然知らなかった。 「美咲って意外と鈍感?」 「うーん。違うんじゃない?」  私が口紅を塗り直してるうちに、麗奈の支度があっさり終わり、二人連れ立って更衣室から出る。社員専用の裏口から外に出る為に廊下を歩いていると、数人の男性の集団が反対側からこちらへ向かってくるのが見える。  その先頭を歩く人は、遠目から見ても高級そうなダークネイビーのスーツを着こなして、堂々と歩いていた。 「ラッキー!伊ヶ崎専務だよ!やっぱり今日もかっこいいなあ」
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