大好きな旦那様と離婚に向けて頑張ってます？！

旦那様と高校時代の友人

　―――――――――――――――
　――――――――――

（涼）

　俺の具体的なアドバイスに激しく動揺していた美咲の姿を思い出し、ちょっとからかいすぎたかな？、と反省しつつ――いや、やっぱり面白かったから反省はしてないや。

　珈琲のお代わりをウェイターに頼んだ直後、隣の席に座っていた派手な格好の女が、先程まで美咲が座っていた場所に堂々と腰を下ろす。読んでいたのか不明な文庫本をテーブルの上に置き、掛けていたサングラスを外す。

　現れたややつり上がった大きな瞳は、彼女の気の強そうな性格をそのまま表現したかのよう。ぽってりとした唇には、派手な色のリップを塗っている。唇のすぐ下にある黒子も合わさって、口元に目が惹かれる女だった。

「ちょっと、何変な発破掛けてんのよ」

「えー？どうせ出来ないでしょ？」

　だって、俺の知る限り美咲って彼氏いた事がない。恐らくそういった方面にも疎いはず。いきなり悠真と寝るなんて出来ないだろう。

　そう高を括った俺に、女は厳しい顔をして、考え込むように顎に手を当てた。