旦那様と一夜

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 まず私は今、悠真の恋愛対象内にいるのかな?  正直、涼の提案は酷く魅力的な事のように思えた。血迷ったとかそういうのではない……、はず。  八方塞がりにも似たこの状況を、どうにかしたかった。  ……涼のアドバイスを実行に移せる度胸があれば、もう既に何か進んでたと思うんだけど!  鍋の前で頭を抱えていると、突然頭上声が降ってきた。 「何やってるの?」 「わ。わああっ?!?!」 「えっ?!」  急な悠真の声に私は飛び上がる。びっくりした私にびっくりしたのか、悠真も大きく目を見開いて驚いていた。未だに大きく脈打っている胸に手を当てながら、私は自分を落ち着かせるように数度深呼吸をした。なんか変な汗をかいてしまっている。 「お、おかえり……」 「ただいま」  にっこりと目元に皺を作って優しく微笑んでくれた悠真は、キッチンに漂う匂いを嗅いで顔を輝かせる。どうやら何を作っていたか、分かったらしい。 「クリームシチューか!やった」
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