旦那様と一夜、その後

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「え、えっと、お風呂!そういえばお風呂入ってなかったよね?!」  悠真の豹変についていけない私は、誤魔化すように声を上げた後に、ハッと気付いた。記憶の中で入った覚えはないけど、既に入ってたかも……?! 「そうだね。そろそろ準備しないと仕事にも間に合わないし……、先に美咲入っておいで」 「う、うん。ありがとう」  内心冷や汗をかいたけど、あっさりと悠真は同意したので、やっぱり昨日入っていなかったのかと安心する。布団から出ようとして……、服を着ていない事に気付いて、再び布団の中に潜り込む。服がどこにあるのかすら分からない。一連の流れを見ていた悠真にくすくすと笑われた。 「一緒に入る?」 「は、入らない!ちょっとあっち向いてて!」  必死に視線をめぐらせて、ベッドの脇の床に散らばっている部屋着を見つける。悠真はちょっと不満そうにしていたものの、渋々と私の言う通りに後ろを向いてくれていた。  ……なんでも、夜に散々見たんだから別によくない?っていう理由だけれど、え、散々見られたの……?私にとっては全然覚えていない事なんだけど……。かなり大問題な気がする。  ベッドから立ち上がる時に身体中が軋んだけど、なんとかお風呂場まで行き、シャワーのノブを捻る。  頭からお湯を被りながら、必死で思考をフル回転させていた。
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