旦那様と一夜、その後

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 人には言えないような場所が痛い。  完全にこれ一線、越えちゃってるやつだ……!  男性経験全くなかったのに、涼の適当な助言の通りに何かとんでもない事をしてしまった気しかしない……。  散々考えているうちに、シャワーを浴び終えて服を着替える。お気に入りのヘアオイルを塗り、髪の毛を乾かしながら、悠真に昨夜の事を覚えていないって素直に言うか悩んだ。  さっきはあまりにも悠真は上機嫌そうだったし、私も寝起きでイマイチ頭も回っていなかったから言えなかったけど、今になれば冷静に切り出せる。それと同時に、悠真が見せた今までにない甘い顔が、もう見れないかもしれないという事に残念な気持ちになった。  初めて聞く甘やかすような声に、濃いスキンシップ。  お、思い出すだけで気恥しいけど、好きな人に甘やかされて嬉しくないわけがない……。  鏡の中の私は、難しい顔をしながら頬を真っ赤に染めていた。 「お風呂上がったよ」 「了解。簡単なものだけど、朝ごはん作っておいたよ」  既に起き出していた悠真はキッチンから顔を覗かせる。  ダイニングテーブルにはフランスパンのサンドイッチが置かれている。淹れたての紅茶が湯気をたてていた。
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