旦那様と一夜、その後

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 ――「そんなの酒の勢いで一回寝てくればいいだろ?男は単純だから、それですぐ落ちるって」  涼のアドバイスを思い出す。悠真も単純だから1回寝て私に落ちてくれたんだろうか。  こ、こんなに甘々に豹変するものなの……?  昨日の私は勇気を出して何をしたんだろう?!  知るのが恐ろしい……!  内心頭を抱えながら、悠真の作ってくれたサンドイッチを食べる。見た目通り胡椒が効いていて美味しい。  ふと時計を見ると、まだ七時をさしていた。  港区の自宅から丸の内の会社は近いので、まだ余裕はある。九時始業なので、受付の制服に着替える時間も計算して一時間はあった。  サンドイッチを食べ終え、紅茶のカップに口を付けた位で、悠真がお風呂から上がってきた。髪の毛を乱暴にタオルドライしながら、「そういえば今日は早く帰れるようにする」と話し掛けてくる。 「そうなの?」 「うん。流石に今日は早く切り上げてきたいんだ」  ちょっと悪戯っぽい笑みだけど、甘さを含んだ声で彼は続けた。
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