旦那様と一夜、その後

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「だって、結ばれた日くらいはイチャイチャしてたいし」 「え……、えっ?!」  い、イチャイチャ……?!  最初に何を言われたか理解出来ずにポカンとしてしまったけれど、イチャイチャってあの……道端で見かけるバカップルがよくしてるやつ?! 「え、えと、えっと……」 「真っ赤になってるよ?相変わらず初心だね」 「えっと……!」  昨夜何があったか教えてほしい、という簡単な文章が口から出てこなかった。  葛藤すらそんなになかった。このまま何も言わなければ、悠真と恋人のような関係でいられる、という誘惑にあっさり負けてしまった。  何年も拗らせてきた恋が、ずっと好きだった人が私に振り向いてくれて、甘い言葉をかけてくれる。  夢みたいな現実なんだよね……。 「ほらほら、落ち着いて。イチャイチャするのは嫌?」 「ず、ずるい……。だって」 「だって?」 「……は、恥ずかしいし……」  恋愛経験なんて皆無状態の私、完全に舞い上がってしまっている自覚は充分にあった。  流されまくっている自覚も。
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