旦那様と離婚の条件

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――――――――――――――― ――――――――――  白い結婚。  かりそめの夫婦。  ――の割には、仲はかなり良好。元々友人だったのもある。 「それにしても結婚五年目って長いね。あっという間に過ぎた感覚だけど、赤ちゃんが幼稚園の年中さんになってる位か」  夫、伊ヶ崎悠真。二十三歳、社会人一年目。 「ええ、意外と長いわ……。あっという間って感じだけれど……」  妻、伊ヶ崎美咲。二十二歳、社会人一年目。  結婚記念日兼、悠真の誕生日を祝う為、夜景の綺麗な丸の内のレストランでディナーをしていた私達は、この五年をサクッと振り返った。結婚当初から変わっていないやり取りは、もはや家族に対する親愛の情すらある。  まあ、そりゃあ五年も交流あったらね……。  私達は所謂親に決められた結婚相手というやつだった。  私は幼い頃から政略結婚をするのだろうと知っていた。けれど、私がある程度大きくなってから相手が決まるのだろうと思っていた位。  不意打ちのように行われたお見合いで、悠真と顔を合わせるまで、相手が誰だかは知らなかった。  そりゃあ、両家の改まったお見合いの席に高校のクラスメイト――それも日頃仲良くしている男子が現れたらびっくりするだろう。
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