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そんな風に雑に未来を決めてしまいそうな彼女が危うくて、俺がやるせなくて、勢い込む。
「もし、嫌な相手だったらどうするの？ハゲデブのジジイみたいな生理的に無理な相手だったりするかもしれないよ？もしかしたら、ヨボヨボの老人だってあるかも」
政略結婚なんてやめる、という言葉を彼女から引き出したかっただけだった。思い直して欲しかった。誰かに決められる結婚なんて、不幸を生むだけ。
君の人生は、君だけのものなのに。
だって俺は、自分の両親が政略結婚で引き裂かれた事を知っている。
あんまりにも俺が真剣だったのか、彼女はカラッと晴れやかに微笑む。
「流石にそれはお父さんが許さないと思うなあ」
「そうなの？」
「うん。円城のお金目当ての人もお父さん的にはNGだと思うよ」
「そんなものなのか……」
俺にとっては到底理解できない常識だった。
黙り込んでしまった俺に対して、彼女はニヤッと冗談っぽく笑う。
「じゃあ、もし私が嫌いな人と結婚する事になってしまった時、悠真は助けてくれる？」
そんなの。決まってる。
「当たり前だよ。その時は必ず助けるから、ちゃんとSOS出して」
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