旦那様と離婚の条件

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 悠真も似たような反応をしていたし、あとから聞けば私と同じような輪郭だけの婚約話しかされていなかったそう。  今時、お見合い結婚ですら少なくなっている時代。  政略結婚なんて時代錯誤もいい所だ。代々続く旧華族に誇りでも持っているのか、私の円城家ではそれが当たり前。私のお父さんとお母さんも政略結婚だったらしい。  ……まあ、今でもすっごいラブラブなんだけど。  私も政略結婚をするとは分かっていた。  だが、まさか悠真が十八歳になった途端に籍を入れさせられるとは思わないだろう。覚悟する余裕すらなかった。  そもそも、何故私と伊ヶ崎悠真が結婚する羽目になったのか。  端的に言うと、伊ヶ崎悠真が伊ヶ崎家の非嫡子という微妙な立ち位置にいたのが、この政略結婚の大きな原因。  上流階級の場で、伊ヶ崎家の非嫡子という立場によってこれから先の命運を左右されないようにという、伊ヶ崎家の当主とその妻の願いによって選ばれたのが、先祖代々から血筋をガッチガチの上流階級人間で固めてきた円城家という訳だった。
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