父の事情

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さて、なんて送ろうか。 時間的に、いまは部活中かな。 トーク画面を開くと、半年前自分が送ったメッセージが 既読無視されて宙ぶらりんになっている。 娘がこの連絡を歓迎しないことはわかっている。 でも、どうしても沙羅と会いたいんだ。 父親の我儘に付き合わせてごめんよ。 そう考えながら文字を打ち込む。 「沙羅、久しぶり。来月、17歳の誕生日祝いをしよう。 お父さんが予約しておくから、20日、空けておいて。」 以前、絵文字をつけて送ったら キモいからやめて!と 沙羅に怒られたことを思い出して頬が緩む。 なるべくシンプルに、これでいいかな。 送信すると、どうせ返ってこないだろうなと思いながら そっとスマホをおいた。 ふぅ…と一息ついてコーヒーを啜ると、 それはいつのまにか冷めきっていた。
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