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「人という生き物は全くわからん」
私達にかわいいとか思って置きながら、こんな所に入れるとは。「入れば空気が不味く感じる」っとそれを知っている隣のやつは言っていたが、周りを見ると確かに窓がない。これでは逃げ道がなければ新鮮な空気も吸えなくなるだろう。これから私達は「殺処分」と呼ばれることをされるらしい。久しぶりにあの鉄の何かから出されたかと思ったら、謎の部屋に入れられたのだ。部屋のドアを閉める時、ここまで入れてきたあの他人が涙を流していた。そう思ってるなら助けてくれよ。まったく。そう思ってるうちに下の方から「プシュー」と音が鳴り、色が普通じゃない空気が迫ってきた。本能的にやばいと思ったのか私たちは考えもせず、その空気から離れた。が、なんにせよ狭い部屋だ。逃げる所は徐々になくなっていった。すると背の低い奴が大きく吠えた。かと思うとバタリと音を立てて、横になった。もう、動いてはいなかった。そのあとは見たくもないほど酷い光景が広がっていた。子供だろうが大人だろうが声を上げて苦しみ、辛そうにしていたら、バタリと音を立てていく。私もそろそろ息苦しくなってきて、助けを求めた。しかし他人のやつらは入ってこず、私も目が回ってきてバタリと音を立てる前でしょうか。仲間がたくさん倒れた床を見て思いましたよ。
私たちより大きく、彼らからしたら小さい私たちを可愛いと言い、普通の人生から楽しい人生に変えてくれたかと思うと、その生活に飽きたなら殺す。かわいいとか思ってるくせに、助けてくれない。ずっと生活を共にしない。そんな命をモノのように扱い、入らなくなったら捨てる。だから私はあいつが、他人が、理解できない。つくづく思う。
「人という生き物は全くわからん」
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