二人の行方

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「…はぁ…はぁ…。」 優しく頬を撫でられ瞼を上げると、蒼希さんと目があった。 愛しいものを見つめるような眼差しに、ドキドキと心臓が跳ねる。 今まで見たことのない優しい笑顔で、 蒼希さんは甘く囁いた。 「…小春。」 「…え?」 今、私の名前……。 呼んでくれた、よね? 「蒼希、さん?」 「小春。」 今度ははっきり聞こえる声で名前を呼ばれ、 ギュッと胸が締め付けられる。 好きな人に名前を呼ばれるのって、こんなに嬉しくて幸せな気持ちになれるんだ。 「…も、死んでもいいです……」 「大袈裟。」 「だって、…嬉しくて…っ」 「あぁ。」 べそをかき出した私を宥めるように、チュ、チュッと啄むようなキスを落としギュッと抱き締めて、蒼希さんは耳元で私にトドメを刺した。 「好きだ。」 「……っ!」 ぶわわっと溢れ出した涙を見て苦笑いしている蒼希さんに、ギュッと抱きついて。 心から溢れる想いを口にした。 「私も…好きです。」 「あぁ。」 嬉しそうな声が聞こえてきて、胸がいっぱいになる。 幸せすぎて、おかしくなりそう。
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