祝言

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その後。 朱季様のもとへ着物を返しに行って、 二度と蒼希にお酒を飲まさないよう強く訴えた。 蒼希と、村の市場で初めて買い物して 祝言に来てくれたお礼を伝えて回ったり。 手を繋いで話をしながら、ゆっくり帰ったり。 温泉に浸かりながら、激しく求め合ったり。 本を読みながら静かに過ごしたり。 そんな、何の変哲も無い毎日がとても幸せで。 ふいに、幸せすぎて…泣きたくなる。 蒼希は調査の仕事で数日家をあけることもあったけれど、私が心配しないようにと文を送ってくれる。 私の宝物として、大事にしまって取ってあるのは 蒼希には内緒だ。 数年後、愛娘が生まれ溺愛する蒼希の姿が 見られたり、朱季様が娘を可愛がってくれていると 「娘はやらんぞ!」と頑固親父みたいなことを 本気で言い出したり。 これは好きな人を連れてきた時は大変だろうなーなんて、未来の姿を想像してクスッと笑ってしまう。 私は色んな人に支えられ、愛をもらい、愛を与えて これからもここで生きていく。 大好きで大切な、家族と共に。 終
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