きみのためなら

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きみのためなら

「それじゃあ、お疲れ様でした」  先輩に挨拶をして、俺はバイト先であるコンビニを後にした。  去年の春に大学生になってから俺は今日まで約二年近くこのコンビニでアルバイトをしていた。大学生になったこともあり、いろんなところでお金がかかってしまう。  飲み会、友達と遊びに行くお金、そしてなによりも生活費である。 「お金ないなぁ……」  そんな覇気のない言葉を朝焼けの照らし出し始める世界に向けて放ちながら、甘ったるい缶コーヒーを片手に、自宅への帰路へとつく。
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