私たち、なにか忘れてやしませんか……?

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「俺たちの秘密ってなんだ」 「この福利厚生施設な、見世物小屋兼駄菓子屋でお前が愛人を雇って稼いでいることだろうよ」 「……どれひとつ合っていないのに、何故、俺がその賭けに乗る必要がある。  っていうか、この事態になんにも動じてないお前が怖いぞ」  そう倫太郎は言ったのだが、斑目はケロッとして言ってきた。 「世の中にはいろいろと不思議なこともあるだろう。  山に登って俺が呼べば、いつでもUFOが来るように」 「……斑目。  キャンプのとき見たあれは(よい)の明星だぞ」 「いや、確かに俺に向かって瞬いていたっ。  あれはUFOだっ」 「コンタクト入れろっ、このど近眼っ!」 「入ってるっ」 と幼なじみ二人は揉めはじめる。  冨樫はそんな二人はスルーして、あの赤い箱を手に呟いていた。 「しかし、百鬼夜行花札か。  名前からして怪しいな」
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