大きな瞳と唐揚げとエビフライ

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大きな瞳と唐揚げとエビフライ

俺と彼女の始まりは… 唐揚げとエビフライ そう彼女は言うけれど… 実際は…違う 「そんなに簡単に気になる? 私は…あの時、あの瞬間… …敵とみなしたよ…!」 アーモンド形の目に光る大きな瞳 ギンっ!と強い光を放つ 「え…あっ…うぅ…」 俺は思わず狼狽える。 だって…お前の初恋はそうやって始まった… そう言っていたはずなのに 「ウソッ♪」 なんて言って、ぺろっと舌を出す 「本当はね…」 いつの間にか女らしい顔になった 中性的な顔は楽しそうに… 嬉しそうに… 俺に伝える… 「あの日に…あなたの剣道見たから」 いつの頃からか… 柔らかな唇に淡い紅で彩り… すっかり大人の顔になってる だけど…変わらない笑顔で… 「あの日から…気になって気になって あの日のお弁当のおかずを取られちゃった その事を口実に… 初稽古の日に話せて…嬉しかった…」 普段から強気の彼女 恥ずかしいのか? 頬を染めて、耳まで真っ赤だ そんなに恥ずかしがらなくても… 俺と彼女とは… もうそれ以上の関係… 「響…」 名を呼んで唇重ねる… シーツから出ている白い肌… 筋肉質…と言っても 男の俺とは違う華奢な首筋…肩… シーツに隠れてるふたつの膨らみ 押し倒しながら遮るものを… ベッドの下に落とす… 「…ダメ…」 恥ずかしいって言って隠そうとする 彼女の左薬指… 小さな小さなピンクダイヤ…五粒 彼女の好きな花・桜を型どった エンゲージリング… そう…色々…出会いから 色々…あって 時間がかかったけど… 俺と彼女は…もうすぐ…結婚する …俺と彼女の出会い… あの日がなければ… きっとなかった
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