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そうは言っても、相手が私を知っているのに私がこの彼を知らないのは……。
不気味すぎる。
ーーあ。
「ストーカー?」
思わずそう呟いていた。
『ああっ、いや。そんな怪しい者じゃないです、……って言うか、ごめんなさい。気持ち悪いですよね。もう掛けないので、おやすみなさい』
三度の不通音を残し、スマホは待ち受け画面に戻った。
一方的に話をされて、一方的に電話を切られた。
ーーなにこの人。意外と小心者?
「Who are you?」と呟いてからまた独りごちる。
「お前は誰だ?」
ベッドから身を起こし、クローゼットの扉を開けた。
目的となるのは高校時代の卒業アルバムだ。難なくその一冊を引っ張り出し、またベッドに座った。
綺麗に印刷された分厚いページを捲り、高三の自分を見付ける。
一体何度漏らしたか分からない溜め息が浮かんだ。
正直、高校時代はロクな思い出しかない。三年生はそうでも無かったが、とにかく二年が酷かった。
高二の頃、私は単純に言って虐められていたと思う。
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