2.Who are you?

4/6
前へ
/99ページ
次へ
 そうは言っても、相手が私を知っているのに私がこの彼を知らないのは……。  不気味すぎる。  ーーあ。 「ストーカー?」  思わずそう呟いていた。 『ああっ、いや。そんな怪しい者じゃないです、……って言うか、ごめんなさい。気持ち悪いですよね。もう掛けないので、おやすみなさい』  三度の不通音を残し、スマホは待ち受け画面に戻った。  一方的に話をされて、一方的に電話を切られた。  ーーなにこの人。意外と小心者? 「Who are you?」と呟いてからまた独りごちる。 「お前は誰だ?」  ベッドから身を起こし、クローゼットの扉を開けた。  目的となるのは高校時代の卒業アルバムだ。難なくその一冊を引っ張り出し、またベッドに座った。  綺麗に印刷された分厚いページを捲り、高三の自分を見付ける。  一体何度漏らしたか分からない溜め息が浮かんだ。  正直、高校時代はロクな思い出しかない。三年生はそうでも無かったが、とにかく二年が酷かった。  高二の頃、私は単純に言って虐められていたと思う。
/99ページ

最初のコメントを投稿しよう!

619人が本棚に入れています
本棚に追加