謎のドリンク

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謎のドリンク

 ピ、ピ、ピピピピピッ。  大音量で部屋中に鳴り響く目覚ましに少女はパチッと目を覚ましてむくっと起き上がり、自分の頭の頭上で鳴り響いている目覚まし時計を見つめて。  カチッと。電源をブチっと切り、あと少しだけと二度寝を決めようとした時であった。カタンッと何か、軽い物が落ちた音がしたのである。 「――え」  音にビクッと肩を揺らした光は音の正体は何なのかを確認する為に衝撃音が聴こえた方へと恐る恐る顔を向ける。聴こえたベットの下へと目線を下げていった光は眠気など吹き飛ぶほどの衝撃を受けた。 「な、なんで? 夢、夢だったはずでしょう。アレは……」  目を大きく開いて動きを止めた光は床へと落ちる包装された箱を声も出せずに見つめる。そして、震える手で箱へと伸ばした――その時だった。 「光おきなさーい! 学校に遅刻しちゃうわよッ」  母の声が下の階から響きわたったのであった。  思わず手を触れかけた箱から離す。そして気味が悪そうに落ちた箱を見つめて顔を逸らして。 「は、はーい。すぐ起きまーす」  母へと言葉を返す。 「……ふぅ」  光は息を吐いた。  そして、ベットに落ちた状態の箱を乱暴に手に取り勉強机へと適当に置いて、逃げるように早足で部屋から出て行った。
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