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病院で。
「大丈夫ですよ。それより、ここまでよく太らせましたね」
すぐに主人から、電話が来た、
私に説明する主人。
電話を変わって先生と話したい。
でも先生の説明を話す主人の声。
その声に、ほっと胸をなでおろした。
主人は会計をすまし、タオルの中のアモを見て笑いかけた。
「アモ。そういや、ペットキャリーも用意しなかったな」
「慌ててたからな」とタオルにくるんだアモを抱いて笑った。
帰る車の中で「早くママの所へ帰ろう、心配してる。 」と話かけた。
##
玄関ドアを開ける前から、ワンちゃんズの声が響く。
そしてドアを開けるより早く、内側から開き、ダイブする様に駆けて
「アモは?」と叫ぶ私に、主人はアモを預けた。
「アモー…」
涙がこぼれ落ちる。
主人は私を促し、ドアを閉じた。
リビングに入るとワンちゃんズが、騒ぎまわる。
特に声が大きいのは、アメリカンコッカ―スパニエル、バフのマリー。
「まーちゃんも、心配だったよね?」
体が大きいから低音だけど、声も大きい。
小さなワンチャンズは、キャンキャン騒ぐ。
「そうか、お前らも心配だったか?」と主人は小さな、
ティーカッププードルの、ココを抱き上げた。
私はアモを保温ケージに入れた、
雛の時に入った、大きなお家。
その時、くーちゃんがガシャガシャとケージを
揺すり、訴えて来た。
僕も心配してんだ、アモは大丈夫なのか?と、
いかにも、と言いたげだ。
私はくーちゃんに、話しかけた。
「アモは大丈夫だから」
くーちゃんは首をひねる。
アモはケージの中で、羽を膨らませ、うずくまっている。
「くーちゃんも、アモが心配だったのよね?」
私の声にウンウンウンと、首を縦に振る。
この子は賢い。
家族っていいなと思った。
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