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「ありがと~!!」
発表会が終わると、姉が俺の席にやってきた。
…俺を起こしにやってきた。
姉の演奏を聞いた後、睡魔に勝てず爆睡してしまったのだ。
「あ、あぁ…?」
状況が理解できずに変な声が出てしまった。
姉に笑われる。
眠い目をがんばって開けて姉を見る。
その後ろに男の人がいた。
え?
突然目が覚める。
その人はステージの方を見ていたが、俺の視線に気付き、俺に向かって微笑んだ。
あ、え、あ。
とりあえず首だけでぺこりとする。
すると姉が不思議そうに俺の後ろを見た。
「うぇっ!な、なんで…。」
え、なんでって、姉ちゃんが連れてきたんじゃないの!?
姉がその人の腕を引っ張って俺に背を向けた。
「向こうで待っててって言ったじゃん。」
「えぇ、俺挨拶しときたいよぉ…。」
すべては丸聞こえだが知らないふりをしておく。
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