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動画の画面が切り替わってどこかの地面がうつる。
先ほどの男の子(と思われる)が、小声でしゃべっている。
学校に持っていってはいけないものをを持っているのだろう。
カメラか、スマホか、あるいはガラケーか。
『今からクラスで一番頭のいいやつの記憶を吸い取ります…。ここに呼び出してあるのでそろそろ来ると思』
『お、来た来た。』
『うん。ごめん遅くなって。』
何と相手の声には丁寧にモザイクがかかっていた。
意外にいいやつだったりして…。
あーいやいや!そんなわけないだろ!!
少し好感をもちかけたがすぐに取り消す。
『あ~…。あの、さ…。』
先ほどの男の子が言いにくそうに話し始める。
『うん。』
『…ちょっと後ろ向いてくんね?』
俺は画面に映る地面を見ながら思う。
…なんか告白シーン見てるみたいだな…。
いや……あれ?そういえば相手は…。
『え?後ろ?なんで?』
…女子、か?…男子なのか?
『ん~いいから!』
『なんもしない?』
…まさか。
『いやぁ?』
…まさか。
『はぁ?』
『ほこりついてる!』
『え?』
『ほら!』
画面に文字が出る。
ーなかなか後ろを向いてくれなかったので肩を押して促しましたー
『うわセクハラ!触んないでよ笑』
『ちげーよ!笑』
そこで俺は背筋に悪寒を覚える。
……相手……女子、だな。
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