姉の発表会

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姉の発表会

「おぉ!来た来た!」 やってきたのは市民センター。 建物前で入り口を探していると、姉がやってきた。 きれいな化粧をして発表会用のドレスを着ている。 「あ、あぁ…。」 不覚にもキラキラオーラが見えてしまった。 「わざわざ外まで来なくてもよかったのに。」 迷ってたと思われるのはいやなので(事実なのだが)、さも今入り口に向かおうとしてました感を出しておく。 「あんた…。」 「あ?」 「迷ってたでしょ♪」 姉が手を口にあててムフフと笑った。 「あ、え?は、は?」 俺は突然言われたことに、噓がつけないらしい。 「やっぱり~笑」 姉が俺のことをニヤニヤと見ている。 「な、なんで…。」 頭の後ろに手を当て姉を見る。 「何年一緒にいると思ってんのよ!」 姉が腰に手を当てのけぞる。 俺を見下ろしたいのだろうが、とっくに姉の身長は抜かしている。 ――そうかぁ…。生まれた時から家出るまでずっと同じ家に住んできたんだもんなぁ…。 つい感動に浸る。
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