たかし君

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 とは言っても、いつも1人だとつまんないから今日は友達を誘った。  いつも一緒にサッカーをしたりゲームしたりする友達___りょうた。  今日はりょうたのお母さんも仕事でいないらしく、  うちに来いよ、と言ったらすぐに返事をくれた。  コップ2つとオレンジジュースを出して座る。  先にゲームを用意しようと思ってテレビをつけた時、  ピンポーン  とチャイムが鳴った。  ほーいと言いながらインターホンを覗くと、そこにはりょうたではない人が立っていた。  帽子を深くかぶって、黒いランドセルを背負った同い年ぐらいの男の子。  うつむいているから顔は見えないけど、俺の知っているひとではないと思う。  いや、もしかしたらりょうたがふざけているのかもしれないな……。  よく見ると、ランドセルにりょうたのお気に入りのストラップがついている。  ランドセルが黒いってことは……。  さてはあいつ、弟のやつ借りたな!?  そこまでしてびびらせたいのか。  気づいてないふりして、あいつにのってやるのもいいけど……。  俺は通話ボタンを押して言った。 「りょうたー!そういうのいいから早く来いよ!もうジュースとか用意したんだぞ!」  なんだよ、気づいちゃったのかよー!  りょうたがそう言いながら笑うのを想像していた。
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