餅系彼氏の攻略法

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餅系彼氏の攻略法

 私が実家を出たのは二十二歳の時だった。  大学は、実家から通えるところを受験。うちは、仕送りをしてもらえる程裕福ではなかったから。でも結局受かったのは、電車で二時間半近くもかかる遠方の学校で。私はすぐに長い通学時間に嫌気がさして、親に下宿したいと申し出た。けれど、親は猛反対で取り付く島もない。私は奨学金とバイトで何とかなると思っていたけれど、うちの家は厳しいので許してもらえなかったのだ。  学生時代の四年間、特に辛かったのは門限だ。親には、日々細かく私生活をチェックされていたし、大変窮屈な思いをしていた。その反動からか、就職して独り立ちしてからは、生活がすっかり荒れてしまった。
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