脳ない馬鹿は本音を隠す

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「能ある鷹は爪を隠すっていうけどさ、未希は脳ない馬鹿は本音を隠すって感じだよね」 「何言ってんの遊星。あたしは馬鹿じゃないから」 「そうかな。馬鹿ほど自分を馬鹿じゃないって思ってるけど」 「うるさいよ、ちびのくせに」 「ボッチのくせに」 「あたしが好きで独りでいるの。あんな低能たちと戯れたくない、だけ」 「まーた強がっちゃって」  うるさいなあ、遊星。クラスで一番チビのくせに。男子なのに。  従弟だからって、あたしにかまいすぎなのよ。  可愛いかわいい言われて調子乗ってんじゃないの?  馬鹿なの? 高校一年にもなって、可愛いで喜ぶとか。  ありえない。低レベルすぎる。 朝早く着いた教室で、あたしは文豪の書籍を取り出して座る。  こうすれば、誰にも挨拶しなくていいし、めんどくさくない。  後から来れば、挨拶ばかりしなきゃいけないし。 「未希もさぁ、髪の毛伸ばしっぱなしじゃなくもっとおしゃれすれば?」 「金髪馬鹿に言われたくない」
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