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VOL.2 ”朝、3番線、快速久里浜行き”
何回も過ごした1日だから、これからどうなるのか大体予想がつく。
いつもの様に6:45発の電車に乗り、いつもの様に窓の外を眺めていた。
でもこの1日も、今日が最後。
3年間という時間は、無知な頭のはるか上を悠々と泳いでいった。
いくら全力で駆けても追いつくことはないだろう。
色んなことがあったけど、なんて言うつもりはない。
色んな、だけに任せるには、負担が大きすぎる。
もっともっと、君の横顔が見たかった。
今日から僕たちはクラスメイトから、他人になる。
もう2度と送ることのない、君が含まれた毎日が愛しくてたまらない。
さようなら。
そのあとの言葉は涙と一緒に制服の袖に拭われた。
今日、僕らは高校を卒業する。
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