193人が本棚に入れています
本棚に追加
目が覚めた時に気づいていた。何かが無くなったと。それが胎児だとすぐに悟った。でも、信じたくなかった。
最低な言葉で別れを告げてきた男の子供でも、私の子供でもあった。産むつもりでいた。
でも、もうおなかにはいない。涙が止まらないで流れた。
「ずっとおなかを押さえてたそうよ。助けてって何度も言ってたって。
本当に大事に思ってたのね」
涙を流しながら頷いた。
「子供のお父さんに連絡しないと」
母の言葉に首を振って説明した。何か言いたそうだったけど、黙って髪を撫でてくれた。余計に涙が出た。
最初のコメントを投稿しよう!