その花言葉は……

13/25
前へ
/25ページ
次へ
 少しの間、茫然として動けなかった。おなかの子供を見捨てただけでなく、殺せと言ってきた……  冗談でない。あんな男と結婚など今さらしたくない。でも、中絶の了承なんてできるわけがない。  私は封筒と鍵を持って、彼を追いかけようとした。  お金でなかったことになんてさせない。子供は産む。絶対認知させて責任取らせるから!  なのに、立ち上がった瞬間、腹部に激痛が走った。思わずうずくまると、誰かが慌てて駆け寄ってきたのが分かった。  「どうなさいました!」  「おなか……痛い。助けて……赤ちゃん……」  これ以上言えなかった。おなかの痛みは限界を超えて、私は何も考えられなくなった……
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

193人が本棚に入れています
本棚に追加