193人が本棚に入れています
本棚に追加
少しの間、茫然として動けなかった。おなかの子供を見捨てただけでなく、殺せと言ってきた……
冗談でない。あんな男と結婚など今さらしたくない。でも、中絶の了承なんてできるわけがない。
私は封筒と鍵を持って、彼を追いかけようとした。
お金でなかったことになんてさせない。子供は産む。絶対認知させて責任取らせるから!
なのに、立ち上がった瞬間、腹部に激痛が走った。思わずうずくまると、誰かが慌てて駆け寄ってきたのが分かった。
「どうなさいました!」
「おなか……痛い。助けて……赤ちゃん……」
これ以上言えなかった。おなかの痛みは限界を超えて、私は何も考えられなくなった……
最初のコメントを投稿しよう!