その花言葉は……

　一人で休んで一週間後、私は仕事に復帰した。

　前日の診察で大丈夫と言われてホッとした。一人で寝ているのは辛い。でも、いつまでも母に頼れない。再婚する母の邪魔はできない。

　同僚は誰一人疑っていなかった。安心と落胆があった。普通にしていれば分からないかもしれない。でも、助かる。同情は受けたくない。

　「え……と、転勤願いですね。ちょうど良かった。向こうで一人欠員が出たと連絡が来てましたから。同じ部署ですから大丈夫でしょう」

　それは助かると思った。同じ仕事なら、新しい職場に慣れるのも早いはず。

　「分かりました。よろしくお願いします」

　復帰初日の仕事が終わった後、私はフラワーショップに寄った。花を一輪購入してから宅配便の営業所へ向かう。

　細長い箱を買って、その花と小さな封筒を入れた。

　「あ、相手に払ってもらうには」

　着払い伝票を渡されたので書き直す。送れと言ったのは彼だ。当然、送料は払ってもらう。