その9

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その9

その9 砂垣 俺に選択の余地はないさ 麻衣が言うように、俺は自分がかわいい、一番な 「わかった。絶対言わない」 「信じるわ」 麻衣は俺の返事に念を押すことはなかった 「じゃあ、あなたへのリクエストをこれからね…」 さあ、麻衣は俺に、どんな”リクエスト”とやらの要求を突き付けてくるんだ ... 「いい?これから言うこと、よく噛み砕いてちょうだい。諸星は都県境の排赤勢力×反排赤という、ガキのフィールドを突破口にして、相和会の牙城を崩しにかかってる。当然、関東のバックともつるんで。これに対して、相和会としては、言うまでもなく敢然と対処する。妥協なくね。あなたは、排赤勢力×反排赤の最前線にでばってるわ。単に奴らを押し返すなら、相和会があなたがをターゲットに、南玉やその他の勢力の頭越しでどうにでもできるわ」 麻衣はゆっくりとした口調に変わった クロージングのための事実認識を、まずはしっかりってところだろう 「でも、それが出来ないのを、向こうは見越してのことなのは、あなたも当然承知よね?」 「ああ…」 「なぜ?」 「それは、相和会と関東、関西両広域サイドが、新たな枠組みを取り決めた直後だから…。滅多な敵対行動をとれば、他の組に合意破棄とみなされる恐れがある。だから…」 「そうよ。でも、相和会に突破口は120%あり得ないのよ。その為の方策をきちっととるから…」 「それって、俺に今のポジション降りろって言ってるのか?」 「いいえ、逆よ。あなたには、いてもらわないと困るのよ」 「わからないな、全然だ。で、俺には何を求めてるんだ?」 「排赤勢力×反排赤の結果がどう出ようと、それがやくざもんの勢力争いではなかった。そうなるように、あなたが諸星をコントロールする。それがあなたへのリクエストよ」 麻衣のその言葉に、俺は衝撃を受けた ... 「だいぶ言ってる意味は分かってきたが、具体的にどうすれば…」 「ふふ、難しく考えなくていいのよ。なにしろ、南玉を軸としたあなたの敵とは、思いっきりやり合ってちょうだい。その際、バックを利用、それはご随意よ。星流会とその後ろの組織に利用されないようならね。あなたの得意技じゃないのよ、それ」 「だけど、線引きって言うか、その辺が難しいよ。ここまでは連中に冒されていないとかって…」 「ふふ…、あなたの感覚にとりあえず委ねる。ギリギリのところを模索して動いてちょうだい。そこのラインを超えるようなら、私が排除するわ。そのアクションを、レッドカードとみなして。まあ、そんなにきれいごとは言わないわ。権謀術策を尽くしても、やりあう時は正面から命かけてやればいい」 何となく麻衣の本心が見えてきた… 「極論としては、最後の決着にやくざを追っ払う気概でいてってこと。あなたが奴らを利用しても、奴らに利用されないってこと。それは、私と相和会に例えても、本質は同じだと思うわ」 「それだけなのか、俺へのリクエストって…」 「そうよ」 麻衣ははっきり言い切った
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