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「ほら、起きて!」
君の細い腕から出る力とは思えないくらい強く俺を引っ張り起こした。
「いつまでも暗い顔しないで!」
無理矢理起こされた、俺の酷い顔を見て、君は可愛い顔をぷうっと膨らませた。
「はい、これ!可愛いでしょ?」
俺の手にはネイビーのガーゼ生地で作られたマスクがあった。
「・・・君が作ったの?」
今の俺にはマスクを買ってやれるほどの金はなかった。本当に情けなくて、申し訳ないけど。けど、君はそのマスクを作ってしまった。
「これは、あなたのよ。私はこっちのマスク!」
君はにっこり笑い、薄ピンクのガーゼ生地で作られたマスクを見せた。
「・・・すごいね。」
俺はその手作りマスクをつけてみる。・・・ちゃんとマスクだ。すごい。そして嬉しい。こんな俺のために作ってくれたことが、本当に嬉しい。
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