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ケンと別れて、ようくんと話しながらゆっくり家に帰った。
あ、言い忘れてたんだけど、ようくんとボクの家は向かいなんだ。
だから登下校はいつも一緒だと思った?
残念、登校は別々のことが多いんだ。
なんとなく、なんだけど。
あ、中学の途中までは登校も一緒だったよ。
「ようくん。」
「ん、なんだ?」
「ボク、ほんとに大丈夫かなぁ…?」
「髪型の話か?」
「うん。」
「はるは元々綺麗な顔をしているし、その髪型も似合っている。だから、大丈夫。」
「うーん、、、ようくんは昔からずっと一緒にいてくれたから、麻痺しちゃってるかもだけど、ボクはほんとにキレイじゃないよ。
それに、やっぱりボク、顔丸見えだとみんなにキモがられちゃうと思う…。」
「はる、はるがそう思ってるんだったら仕方がない。だが、クラスの皆がどう思うかはまだわからないだろう。俺はちゃんと受け入れてくれると思う。
それに、もしはるに酷いことを言うやつがいたら俺がなんとかしてやる。
だから、俺を信じて。ついでに八代も。」
「あ、ケンはついでなんだ?
まあそっか、まだみんなの反応は見てないし、ようくんを信じるよ。
あと、ボク、自信を持つって決めたしね。」
「うん、ぜひそうしてくれ。」
「じゃあ、さっさと帰ってコンタクト試さなきゃだね!」
「あぁ、そうだな。」
やっぱりようくんはカッコいいな。
いつもボクの不安を取り除いてくれるや。
そんなようくんを信じないでどうすんだ!
ちゃんと胸張って、登校しなきゃだね!
そしてお家。
「おかえりー、陽翔!
聞いたわよ、髪切ったんだってn……。
きゃーーーー!!!
翔くん、裕翔!!ちょっとこっち来て!!」
「どうした、陽香!」
「なになに、お母さんどしたの?」
「「……っ!?」」
「陽翔!どうした、その髪!」
「え、陽翔?え、なにが起きたの?」
「え、えと?みんな、どうしたの?
そ、そんなに似合ってなかった…?」
やっぱり似合ってなかったんだ…。
「「「全然!!!」」」
「むしろ似合いすぎてヤバい!」
「陽翔が可愛いわ!翔くん!」
「あぁ、そうだな、陽香。
陽翔がやっと顔を見せてくれたんだ、今日はお祝いだ。あと写真を撮らなきゃ。」
「ちょ、ちょっと待って!
みんなテンパりすぎだよ!髪切っただけだよ!」
「ええ、そうね、陽翔がやっと髪を切る気になってくれたんだもの。お祝いしなきゃよね。」
「うんうん、陽翔、髪、とっても似合ってる。ところで、どうして急に切ったの?」
「あ、うん。オーディションもあるし、そろそろ切らなきゃかな、って。」
「そっか、それは良かったよ!
兄ちゃん、ちょっと心配してたんだぞ?」
「え、なにを?」
「陽翔、髪切らなくなってからちょっとだけ暗くなった気がしたから。
なにかあったのかなーって。」
「そっか、心配かけてごめんね。
でももう大丈夫だよ!いろんな人に勇気づけてもらったから!」
「そかそか!
父さんも母さんも、ウキウキしてるし、とりあえず着替えておいで。きっと今日はご馳走だよ!」
「うん、着替えて来るね。」
うーん、お母さんとお父さんがなんでウキウキしてるのかわかんないけど、みんなに心配かけてたみたい。
じゃあ尚更頑張らなきゃだね!
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