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お昼休み。
「あ、そういえば。」
「ん?どしたー?」
「いやさ、ボクのお母さんがこの前、あるオーディションに応募しちゃって。」
「オーディション?」
「へー、お母さんが?なんのやつ?」
「アイドル。」
「アイドル!?」
「陽香おばさんが?好きだったのか?」
「いや、お母さんがというより、ボクがしたことになってる?って言った方がいいかな?」
「は?ハルトが?」
「うん。ボクが。」
「おいおいまじかよ。」
「本当なのか?」
「陽翔はアイドル好きだし、可愛いから応募しちゃった♡だって。」
「出るのか?」
「うん、きっと受からないとは思うけど、やれるだけやってみようかなって。
それに、ヤマト様に会えるかもだよ!?
こんなチャンス逃すもんか!!」
「お、おう。」
「そうか、頑張れよ、はる。
お前ならきっと受かるさ。」
「いやいや、受かんないって。」
「だいじょーぶ、受かるぜ!
友達のおれらが保証するって!な、天海!」
「ああ。」
「だからなんでケンはそんな自信満々なの?
それにようくんもなんで肯定してんの。」
「ん?そりゃおれの友達だし、ハルトはキレイな顔してるしな!」
「は、してないよ?」
「いや、もうちょい自覚したら?」
「なにが?」
「はるは知らなくていい。」
「…。」
へいへい、そうですかぁー。
ボクは仲間外れなんですねぇー。
いいもん、ボクの弁当あげてやんないもんねー。
「あーあーハルトが拗ねた。」
「大丈夫だろ。はる、これやる。」
「!わ、アスパラベーコンだ!
ようくんありがとう!」
「あ、餌付けしてるし!」
「餌付けじゃない。」
「いや、餌付けだろ。」
んーっ!美味しい!
朱音さん(ようくんのお母さん)が作ったアスパラベーコン美味しいんだよね。
たまにくれるんだ、ようくん。
優しいなー。
てかケンは餌付けやらなんやら言ってるけどなんのことだろ。
「…まあハルト気付いてねーし、いっか。」
「おー、気にすんな気にすんな。」
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