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三人の言葉に右大臣は家来に破片を片付けさせた。これを横目で見ていた笙明は、静かになった部屋で低く呟いた。
「それでは右大臣様。我らの任務をご説明くださいませ」
本丸の間に座していた笙明、龍牙、篠の三名は東山道の神社仏閣を根城とし、奇怪なる妖を討伐をせよと命じられた。南が吹く春の夕暮れの都は、火事で崩れた屋敷の庭に梅が見事に咲いていた。
甘い香りに笑みをこぼしす笙明は西に沈む夕日に頬を染めながら家路に向かうのだった。
第三話完
第四話『鷺娘』へ
<2020・5・2>
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