苧環が咲き誇れば

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皆に見せてる姿は偽物だから。 宗助はいつも昔から綺麗なものが好きだったし、美しいものを集めるのが趣味だった。それは花だったり絵だったり錦織物だったり。そして見目麗しい人間がいつも宗助の周りを囲んでた。男女問わずだったが、割合的には若い女性が多かった。 宗助は美しい花だった。そしてそこには美しい花の蜜を求める美しい蝶である女性たちが宗助に夢中になっていた。 宗助20歳、私は12歳。私はその時、宗助に恋をしていた。初恋だ。けれど私は美しい蝶になれなかった。何かの虫の幼虫だった。美しい存在じゃない私は宗助の目に止まることは一度もなかった。周りの女性たちはくすくすと私を嘲笑い、可哀想にといつも言っていた。宗助は私を助けてはくれなかった。最初からいない者だと見ようとしなかった。
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